介護の現場では理不尽なクレームって少なくありません。
こちらの厚意がかえって仇となることも多いものです。
しかし、そんな理不尽なクレームにいちいち腹を立てていては実が持ちません。
そこでそんな介護の理不尽なクレーム事例も予め知っておきましょう。
理不尽なクレームでも
「ああ、こんな理不尽なクレーム事例もあったなぁ・・・」
そう思えるだけでだいぶ腹が立つのも抑えられます。
介護での理不尽なクレーム
それは主に
- 介護保険制度を正しく理解していない利用者家族からのクレーム
- 被害妄想による濡れ衣的クレーム
- ケアマネと利用者との認識の違いによるクレーム
- 契約で定めた介護サービス以外ができないことを理解してくれないクレーム
- 突然、暴力的な態度や大声を張り上げる
他にも
こともあります。
介護の仕事をしていれば他にもたくさん理不尽なクレームに遭遇してしまいます。
でも予め【介護の理不尽なクレーム】のケーススタディを知っておけばなんとかやり過ごすこともできます。
そこで、介護の理不尽なクレームをひとちひとつを考えてみましょう。
介護現場の理不尽なクレーム|クレーマー利用者家族編
介護の理不尽なクレームが最も出てくるのは利用者ではなく利用者家族のほうではないでしょうか。
クレーマーの利用者家族の対応にはくれぐれも気を付けなければなりません。
利用者家族を励ましたつもりがクレームに
家族に激励のつもりで連絡ノートに
「大変ですが、もう少し頑張ってください」
と書いたら
「これ以上どうやってもっと頑張れというんだ!!
私たちの苦労をわかっているのか!」
と気分を害されてしまった。
排泄に問題を抱えている利用者さん。
家族もそのことで悩んでいる様子です。
連絡ノートに利用者家族から
「そろそろオムツの利用を考えています。」
と書かれていたので
「大変ですが、もう少し頑張ってください」
と返事と書き残して訪問介護の仕事を終え事務所に帰りました。
次に訪問介護で訪れると
「まだもっと頑張れというのですか!私たちの苦労も少しは理解してください!」
と書かれていて、どうも利用者家族の気分を損ねてしまったようです。
それ以降、利用者家族との関係もギクシャクしてしまい担当を変えることになってしまいました。
家族と介負担と介護職との考え方の相違
家族の介護負担はもちろん考慮しなくてはなりません。
しかし介護職からすればできるだけ要介護者の自立と残存能力の維持も考えなければならないという観点もあります。
ですから排泄に問題を抱えている利用者であっても、安易にオムツという選択も簡単いはできないのです。
しかし家族からすればそのために介護の負担が大きくなることは避けたいし、もっと楽に介護したいというのも本音かもしれません。
特に家族が行うトイレ介助は、夜もゆっくり眠ることができずに大変です。
「ガンバレ」
ではなく
「大変ですね」
「お疲れでしょう」
「わかりますよ」
という言葉(文字)が適切である場合も多い。
誤解を招く表現には気を付けましょう。
介護者の意見がまとまらない
夫の介護をしている妻のA子さんと近くで暮らす娘のB子さんで介護に対する方針が異なっています。
そんな折、娘のB子さんから
「もう母から頼まれてもしないでください」
と言われて困っています。
介護をしている家族の中で
妻などの配偶者(主介護者)と子供(副介護者)だったり
息子の嫁などの義理娘(主介護者)と実の娘(副介護者)だったり
と介護に対する意見や考えがバラバラのことってありませんか?
最も尊重すべきは利用者さんの真の気持ち
介護においては、家族からの要望はできるだけ聞いてあげなければなりません。
しかし、その家族の中の介護に対する考えがバラバラでは介護するヘルパーも板挟みになり困ってしまいます。
利用家族の考えよりも優先すべきは被介護者の気持ちではないでしょうか。
もし被介護者が自分の気持ちを伝えることができるのならば、ヘルパーのほうからその気気持ちをヒアリングして、時には家族にその旨を伝えてあげることも必要かもしれません。
板挟みで困っている場合は速やかにケアマネやサービス責任者に報告・相談して対応を考えるのがいいと思います。
ヘルパーがストレスを抱えたままサービスを提供しても、良い仕事はできません。
毎日施設に来訪してくる利用者家族が、職員の動きを逐一監視して施設長に苦情を出している
毎日、親が入所した介護施設に来訪してくる利用者家族がいます。
家族の訪問は利用者さんには良いことだと思うのですが、その家族はなにひとつ介護に関わるわけでもなく一日中そばにいるだけです。
別にそれでもかまわないのですが、
「声かけが悪い」
「自分大家への対応がほとんどない」
など毎日のように施設長に苦情を申し出ています。
こんなクレーマーの利用者家族にはどう接すればいいのでしょうか?
別に介護に対してクレーム・苦情で改めるべきところは素直に反省し改善すべきですが、時には「言いがかり」「イチャモン」に近い苦情もあるものです。
利用者家族をにわか介護評論家にせず、協力者にできないか?
最近の方は介護についてもよく勉強されています。
利用者の立場からすれば、より良いケアを希望しているからこその苦情かもしれません。
しかし、にわか仕込みの知識が現場で通用しないこともありますし、なにより現場では臨機応変に対応しなければいけないことも多いものです。
そんな利用者家族ほど
「自分の親への介護がないがしろにされている」
「もっと自分の親にかまってあげて欲しい」
と感じるものです。
そんな利用者家族を協力者になってもらういことはできないでしょうか・
もちろん直接的な介護に協力してもらうことはできませんが、
「今度、敬老会のレクレーションがあるのですが出し物はこの中から何が良いと思われますか?」
とかなにか行事への参加で協力者に変えてしまうことはできませんか?
利用者家族と介護職員の距離が縮まれば、変なクレーム苦情も減るかもしれません。
介護現場の理不尽なクレーム|モンスター利用者編
高齢者
特に認知症気味の利用者さんは被害妄想が激しいですよね。
そんな利用者さんからの理不尽なクレームも後を絶ちません。
ヘルパーはきちんと時間前に訪問しているのに「遅刻する」と怒る利用者
時間前に訪問しているのに
「おたくのいヘルパーはいつも遅れてくる」
とじぎゅお所にクレームが入った。
「なんでもいいから文句を言いたい!」
そんな困った利用者入るのも現実です。
言われたことを言われた通りにやっていても、そんな利用者から苦情が来るのです医。
原因は他にあるのかも?
得てしてそんなクレーマー利用者には共通した特徴もあります。
それは家族関係や友人関係がうまくいっていないことです。
そんなことから
苦情を言うことでもっと自分に関心を持ってもらいたい
という非常に困る利用者さんです。
そんな利用者さんからクレームが入った場合は、まずはそれをしっかりと受け止めてからその利用者さんとの人間関係を築くことに努めましょう。
「訪問は時間前にしている」など反論しても水掛け論になる可能性が高いからです。
また、そのあたりの事情や状況はサービス責任者にも相談して、クレームを言われているホームヘルパーの心の支えになってもらわないといけません。
時間内にサービス提供はしたのに利用者から苦情がきた
訪問介護で定められた仕事はすべて時間内にこなしたのに
「今度のヘルパーはバタバタとしてせわしなく落ち着かない。
担当ヘルパーを変えてくれ!」
と事業所にクレームがきた。
ホームヘルパーの生活介助の仕事は、ひ鵜によって多かったり少なかったりと変動します。
また、新しく担当になった利用者さんの自宅では勝手がわからずバタバタしてしまうのは仕方ありあm線。
苦情は次へのステップとして考える
ホームヘルパーが利用者の自宅で行うサービスはその利用者さん毎に千差万別です。
特に前任のホームヘルパーがベテランだった場合には、経験の浅い新人ホームヘルパーを利用者からすれば「頼りない」と感じてしまうかもしれません。
しかし、これは誰もが通る道です。
苦情は成長への次へのステップとして、前向きにとらえましょう。
提供する介護サービスの内容
これらを訪問前に予め頭の中でシュミレーションしておくとバタバタもかなり軽減されます。
買い物代行でいつも買ってきたも物に文句を言われる
利用者の希望するメーカーの牛乳が売り切れで別のメーカーの牛乳を買ってきたら文句を言われた。
利用者から頼まれた買い物で「品質が悪い」「サイズがない」場合はいつも悩んでしまう。
訪問介護でヘルパーがいつも理不尽なクレームで悩まされるのが買い物代行かもしれません。
指定された商品で指定されたメーカーの物がない場合、それを買って帰るべきかどうか?
悩みますよね。
利用者さんにはそのメーカーに並々ならぬこだわりがあることも多いからです。
「牛乳と言えば◎◎。それ以外は牛乳ではない!」
くらいなので、他メーカーの物を買って帰ると叱られることもあります。
買い物代行より買い物同行できないか?
ホームヘルパーが買ってきたものに苦情を言うのはどうしてでしょうか?
今まで自分が自分流にやってきたことが十分言出来なくなってしまった・
たとえそれが費sごととはいえ他人(ヘルパー)に頼まざるい追えなくなってしまった。
そのことが、どうしても他人のしたことに「ひとこと文句を言いたい」という背景かもしれません。
訪問介護計画の変更尾も必要かもしれませんが
「新しくご近所にできたスーパーに◎◎さんの好きそうな食材がありそぷですよ。今度ご一緒に行ってみませんか?」
そんな働きかけもいいかもしれません。
散歩同行の途中で買ってくれた飲み物をもらうのを断ったら怒られた
外出同行で散歩の途中で缶コーヒーを利用者が買ってくれた。
「頂けません」
とことわると
「俺の買った缶コーヒーが飲めないのか!」
と猛烈に怒り出してその缶コーヒーを道路に叩きつけてしまった。
利用者さんは介護をしてくれるヘルパーや介護職員になにかしらの感謝の気持ちを伝えたいと考えるものです。
しかし介護の現場では利用者さんから物をいただくのは禁止しているところがほとんどです。
高齢者に方には感情をうまくコントロールできない方も少なくありません。
認知症ではなくても、感情の起伏が激しいのが高齢者です。
断る時には言葉を選びましょう
「◎◎さんのお気持ちだけ頂きます。
最近は行政のほうも利用者さんからの頂き物にとても細かいことを言ってくるので、
頂いたことがわかるともう私も◎◎さんとこうやって外に散歩をご一緒できなくなるかもしれません。
それではわたしも困りますから」
たかが缶コーヒー1本ですが、されど缶コーヒー1本です。
こういったことから利用者さんいも介護サービスを受けるルールを理解してもらいましょう。
介護現場の理不尽なクレーム|食事介助編
介護の食事の現場でもこんな理不尽なクレームってありませんか?
隣の利用者と比べて私の食事の量が少ない
まわりの利用者の食事を見回して
『なんで私の分の量が少ないの!みんなと同じお金を払っているのにおかしいでしょ!』
と怒り出した。
よくデイサービスの利用者に多い理不尽なクレームかもしれません。
ひとり暮らしの高齢者にとって唯一の外食ともいえるのがデイサービスでのお昼の食事かもしれません。
味気ない自宅でひとりで食べる食事よりも他人が作った料理をみんなで食べればより美味しく感じるものでしょう。
でもそれだけにその食事にかける執着はなみなみならぬものがあることもあります。
「隣の利用者の食事より、自分の食事の量が少ない!」
そんなことで怒り出してクレームになることがあります。
それには
・認知症の方は被害妄想が大きい
・盛り付けの仕方によって量の感じ方が異なる
ことが原因かもしれません。
盛り付けや配膳にも積極的に参加してもらおう
「まわりと比べて自分の食事の量が少ない!」
なんてクレームをよくいう利用者ならば、食欲もありかなり元気な利用者さんではないでしょうか。
それならその利用者に積極的に盛り付けや配膳を手伝ってもらうようにすることはできませんか?
また食事は同じ量でも盛り付け方によって感じ方が異なります。
そんなクレームをよくつける利用者さんならば、あえて最初から少しおかずの量を多く盛り付けるのもいいかもしれません、
ひょっとしたら家でキチンと食事を摂っていない可能性もあります。
こんな些細なクレームひとつでも利用者さんの生活環境改善に役立てましょう。
ケアマネの指示で柔らかい食事を出したら叱られた
以前に胃腸を壊して酷い下痢で脱水症状を起こし入院までした利用者さん。
ケアマネの指示で柔らかい食事を出したら
「こんなベチャベチャなもん食えるか!」
とい叱られた。
訪問介護では食事作りもヘルパーの重要な仕事です。
そこにはケアマネからの細かい指示もあります。
「昨日までは黙って食べてくれていたのに・・・?」
食事に関するクレームは突然発生することもあり、それにとまどうヘルパーもいることでしょう。
しかjし、利用者さんはずっと我慢していた可能背うもあります。
ためにためこんでいた鬱憤をなにかがきっかけになって爆発したのかもしれません。
利用者と食事に関する話題を積極的にする
気難しい利用者さんもたくさんいるので、簡単ではありませんが積極的に食事に関する話題を取り上げるようにしましょう。
食事は自分が「食べたい」と思わなければなかなか喉も通らないものです。
たとえそれが健康のため、」身体のためだといってもです。
「利用者のため」と「利用者の立場になって」は異なる
このあたりの塩梅(あんばい)も難しいところですが
「利用者のため」と「利用者の立場になって」は異なる
ということにも気を付けておきましょう。
利用者さんには「介護してもあrっている」という負い目から我慢をしがちです。
しかし、それが時に一気に爆発してしまって大きなクレームに発展しかねません。
「今日はどんなものが食べたいですか?」
「この前の茄子の煮びたし、いかがでしたか?」
相手も気を使って正直な気持ちを伝えてくれないまもしれませんが、その表情から気持ちはくみとることもできます。
日頃から食事についてのコミュニケ-ションも大事にしましょう。
見た目も料理
意外とヘルパーさんの中に料理の見た目に気を使わない方もいます。
しかし、料理は見た目も味のひとつです。
ちょっとした盛り付けでも大きく「食べたい」「食べたくない」の違いが出ます。
できる範囲で構わないので、料理にはできるだけ見た目にも気を付けましょう。
お腹を壊している利用者にお粥を出したら叱られた
施設のスタッフから利用者が排泄に問題を抱えている報告を受けた。
お腹を壊しているので施設の栄養士とも相談し、主食のご飯をお粥に変えた。
すると利用者から
「おれはお粥が嫌いなのにどうして出すんだ!」
と怒り出した。
介護現場の理不尽なクレーム|声かけ編
挨拶や声かけでこんな理不尽なクレーム事例もあります。
「頑張ってますね!」が地雷ワード?
「頑張ってますね」
一生懸命に自力でトイレに移動しようとしている利用者に声をかけると鬼のような形相で
「うるさい!」
と怒鳴られてしまいました。
利用者の身体状況を理解していればそんな声かけはしなかったかもしれません。
少しでも自分で出来ることは自分で
他人の世話にはなりたくない
自立心の強い利用者には声かけも考えなくてはなりません。
介護職員には元気だったころの利用者さんの状況が想像できないはずです。
そのため、つい軽い気持ちで声をかけたのかもしれません。
身体的不自由さをかかえながらも、必死になって自力で移動しようとしている利用者には優しい気持ちでかけた言葉でも嫌味に聴こえることもあります。
トイレや食堂まで手すりを伝わったり、杖を使ってでも自分で移動しようとする気持ちの中には、今までの辛い時期や喪失感もあったはずです。また高齢者にはトイレが近くなりますし、よくトイレへの移動中に資金してしまうこともあります。
ひょっとしたら、その時はもう我慢の限界だったかもしれません。
そんな時はトイレが終わってホッとした時に
「お疲れでうぁないですか?」
とねぎらいの言葉であれば素直に受け入れてくれたかもしれません。
すれ違う時に普通に挨拶をしたら怒りだした
車椅子の利用者に
「◎◎さん、今日は体調いかがですか?」
と挨拶をしたら怒られた。
立ったままでしたのがいけなかったらしい
忙しく走り回るのが介護職員です。
しかし、利用者さんの中には車椅子の方もいます。
挨拶の基本は「相手と目線を合わせて」が大事です。
どうしても立ったまま、歩きながらの挨拶だと不愉快に感じる利用者もいることをしておきましょう。
元気よく挨拶したら「うるさい」と言われた
元気よく挨拶するのを心がけていたら、利用者の家族から「うるさい」と苦情がきた。
おそらく「介護の研修などで、元気で大きな声で挨拶することが大事だ」と教わったと思います。
でも実はすべての利用者が「明るさ」「元気のよさ」を望んでいるとは限らないことも知っておましょう。
確かにお年寄りは耳の遠い方も多いですが、みんながみんな耳が遠いわけでもありません。
またその元気の良さがかえって「ウザイ」と感じる利用者やその家族もいます。
ですので、
その方に合わせたコミュニケーションのとり方もある
ということも知っておきましょう。
それにはその利用者の
・性格
・身体面
・精神面
・今までの生活状況
を理解し、様子をみながら考えていきましょう。
挨拶をしたら怪訝な顔をされた
利用者さんい声を元気よく
「おはようございます」
と挨拶したら怪訝な顔をされた。
実は高齢の利用者さんの中には耳が遠い方も少なくありません。
また突然声をかけられると驚くこともあります。
挨拶する時には、まず相手がこちらを認識してからのタイミングも大事です。
最近では介護の世界も非常勤化が進み、利用者ひとりひとりの基本情報がうまく伝えられていないこともあります。
耳の遠い利用者は、日々の生活で不便さや孤独感を感じることも多いです。
介護職員なら「どちらの耳が聞こえにくいか?」まで把握して声をかける向きまで考えてあげるくらいの配慮もも必要です。
あなたを理不尽なクレームから守ってくれる「サ責」「施設」「事業所」ですか?
意外と介護の現場の経験がない上司っていることも知っておきましょう。
特に異業種から介護業界に参入してきた企業の場合、親会社から派遣された上司のこともあります。
売上最優先の上司の場合は、他の事業所が断ったモンスター利用者たクレーマー利用者家族でもどんどん受け入れてしまいます。
それでは現場ぼ介護職員やヘルパーは身体も心もボロボロになってしまいます。
あなたの事業所
理不尽なクレームから守ってくれていますか?