昨今の高齢化社会で問題になっているのが「老老介護」です。
介護される側も介護する側もともに高齢者ですから、身内の介護や生活援助は大きな負担となります。
そんなときに利用できるのが、「同居家族がいる場合の生活援助」です。
しかし介護サービスを提供する側で気を付けないといけないのが、訪問介護で同居家族がいる場合の生活介助で介護保険適用外になることが多いことです。
訪問介護で同居家族がいる場合の生活援助
同居家族がいる場合でも、外部の専門家による生活援助を受けることができます。
ですので訪問介護で訪れるご家庭に同居家族がいることあるでしょう。
訪問介護で同居家族の負担軽減される
同居している家族が介護や生活援助を行う場合、仕事との両立や育児のために時間的・精神的に大きな負担となります。
しかし、訪問介護や生活援助サービスを利用すれば、家族の負担を軽減することができます。
同居家族がいる場合でも訪問介護でできる生活援助の種類
訪問介護や生活援助には
①家事全般の援助
②体のケアや介護
③外出支援
など、さまざまな種類があります。
要介護者や家族の状況に合わせて、必要なサービスがあります。
訪問介護で同居家族がいる場合の生活援助について
同居家族がいる場合の生活援助を利用するためには、介護保険の申請が必要です。
介護保険を利用すれば、サービス利用料の一部が負担軽減されます。
そのうえで同居家族がいる場合でも介護サービスを提供することができますが、そのサービス内容は基本的にはケアマネージャーが作成したケアプランに基づいて行われます。
具体的な訪問介護と同居家族がいる場合の生活援助のサービス例
訪問介護や生活援助は、同居家族が介護や生活援助を行う場合に具体的なサービス例として
①家事全般の援助
②身体のケア・介護
③外出支援
などがあります。
同居家族がいる場合の家事全般の援助
訪問介護の生活援助サービスでは、家事全般の援助を行います、
例えば、・掃除や洗濯、料理などの家事を代行があります。
同居家族がいる場合の身体のケア・介護
訪問介護の生活援助サービスでは、身体のケア・介護にも対応しなければなります。
例えば、
・入浴や着替えの介助
・食事や薬の服用のサポート
などがあります。
また、自宅でのトイレ介助なども行います、
同居家族がいる場合の外出支援
外出が困難な方には、訪問介護の生活援助サービスで外出支援があります。
例えば、買い物や医療機関への付き添い、レクリエーション施設への送迎などがあります。
訪問介護で同居家族がいる場合の生活介助で介護保険適用外になること
高齢の夫婦が助け合っているいわゆる老老介護の場合、介護を担う家族も高齢です。
利用者が世話をしてくれている高齢の家族が少しでも楽ができるようにと思うことは当然です。
特に高齢の妻が要介護者であれば、高齢の夫に料理は不得意なのは当たり前です。
そこで訪問介護に訪れた時に利用者からヘルパーに
「ついでにこの人(夫)の分の食事も作って」
と頼まれることもよくあることです。
確かに一人分も二人分も食事を作るのに手間はそれほど手間も労力も変わりません。
しかし、厳密には介護保険は公的サービスなので
対象となるのは要介護・要支援を受けた人のみ
となります。
まあ、このあたりは介護ヘルパーの裁量で家族の分まで食事を作るケースも多いのですが、他の介護ヘルパーの時に
「◎◎さんは作ってくれたよ!なんであんたは作ってくれないの?」
と問題が表面化してしまうこともよくあることなんです。
利用者以外の生活援助は介護保険適用外だからどう断る?
家族の分の食事つくりは介護保険適用できないことをキチンと説明しなければなりません。
なかなか高齢者に簡単に理解してもらえないことも多いのですがルールはルール。
なんとか理解してもらうようにしましょう。
しかし、単に
「できません」
と答えるだけでは利用者の気持ちを踏みにじるだけかもしれません。
利用者が介護者を思いやる気持ちを考えれば心も痛みます。
家族の負担を減らす方法を考えてみよう
利用者が料理のお手伝いがあれば食事の支度が出来る状態であれば
「自立支援のためのを見守り的援助」
の計画を取り入れることができないか検討してみましょう。
訪問介護でヘルパーが補助しながら利用者が家族の食事を作る
という方法もあるからです。
毎日では負担が大きいのであれば、週に1~2回程度程度の取り入れでも利用者さんの気持ちに寄り添えるはずです。
利用者が台所に立てる状況ではない場合は、
家族の分の食事作りは介護保険適用外サービスを提供している介護事業所に作ってもらう
ことも提案してみるのもいいでしょう。
家族の分の食事作りは介護保険が使えないので、利用者の経済的負担は大きくなってしまうことを利用者に説明納得してもらったうえで事業所から紹介してもらいようにしましょう。
介護者にも支援が必要と感じたらケアマネと相談
老老介護で介護者にも要支援・要介護が必要と感じたら、そのことをケアマネーに相談してみましょう。
事業所を通じてケアマネージャーに介護者の状況を説明し、できれば要支援や要介護の認定を受ける手続きを進めるのも解決の糸口になるかもしれません。
介護保険では家族の分の食事作りまではできません。
ですので、介護保険ではできないことをどのようにフォローしていくか?
その方法を考えていきましょう。
【訪問介護】同居家族がいる際の身体介護・生活援助の利用条件
介護保険サービスの一環としての訪問介護とは、要支援・要介護の認定を受けた高齢者が自立した生活を送ることを支援するためのものです。
この「自立した生活を送る」ことを前提にしているので
・どこまでのサービスを受けられるのか?
・同居家族がいても支援は受けられるのか?
このあたりが実際の介護の現場ではグレーな部分もあり悩ましいところでもあります。
そして食事作りは利用者の生活援助となります。
生活援助とは、同居家族などが「障害・疾病その他やむを得ない理由」によって家事を行えない状態にあると認められる場合のみ、利用することが可能です。
「障害・疾病その他やむを得ない理由」に関しては、ある程度個々の事情・都合が考慮されますので一概にはいえません。
大まかな指針としては下記のような事例が挙げられます。
(身体・知的・身体のいずれも該当するが、障害者手帳の有無は判断材料とならない)
・同居家族が疾病を持っており、家事を行えない
(疾病によっては援助を受けられる期間に差が生ずる)
・就労などで同居家族の長時間不在が日常的となっている
(事実上の独居状態にある)
・同居家族との間に深刻な問題が発生している
(修復が見込めないレベルのこじれや断絶、虐待、介護放棄)
・同居家族が要支援・要介護認定を受けており、家事が行えない
・要支援・要介護認定は受けていないが、一部の家事が困難な状態にある
・精神・身体的に介護疲れが目立ち、共倒れの危機にあると判断される状態にある
以上のような状況にあるようならケアマネージャーに相談してみればなにかうまい対策が見つかるかもしれません。
介護ヘルパーの仕事は決してボランティアでやっているのではありません。 すべてビジネスとして提供していることを決して忘れてはいけないのです。 介護ヘルパーが提供するサービスの対価は原則ほとんどが介護保険から賄われています。 …