介護ヘルパー できること できないこと

介護ヘルパーの仕事は決してボランティアでやっているのではありません。
すべてビジネスとして提供していることを決して忘れてはいけないのです。
介護ヘルパーが提供するサービスの対価は原則ほとんどが介護保険から賄われています。
※利用者の自己負担は1割
それゆえに、介護保険サービスは「ケアプラン(居宅・施設サービス計画補)」によってこと細かく決められているのです。
介護ヘルパーの一連のサービスは主に利用者の状態やニーズに寄り添って行うものですが、時間単位で大まかに設定されていることもあり、「介護ヘルパーのできること」と「介護ヘルパーがやってはいけない事(できない事)」の線引きが曖昧(あいまい)になってしまうこともよくあります。
しかし、この線引きが曖昧(あいまい)だと他のヘルパーにも迷惑をかけてしまいかねません。
「◎◎さんはやってくれたのにどうしてあなたはできないの!」
利用者さんに良かれと思ってやってあげたことが、今度はクレーム・苦情として返ってくることも多いのです。
介護ヘルパーもい利用者さんも気持ちよく介護サービスを利用するために、
介護ヘルパーができること
介護ヘルパーができないこと(やってはいけないこと)

の線引きややり方もしっかり把握しておきましょう。

確かに杓子定規なことばかりでは介護ヘルパーはできないのも現実です。
たいていのヘルパーは「できないことでも少々のことならやってあげている」ことのほうが多いかと思います。
しかし、それが「ヘルパーができることとできないこと」を分かったうえかどうかも大切なのです。

訪問介護ヘルパーがやってはいけない事を理解してますか?

介護ヘルパーのできること
訪問介護で介護ヘルパーが出来ることとできないことの一覧は厚生労働省でも公開しています
訪問介護 できること できない こと 一覧 厚生 労働省でも公開しています
参考:訪問介護の報酬単位の見直し案(1) (行為類型、時間区分)厚生労働省

でも、これってなかなか分かり難いですよね。
利用者さんかお願いされた時にOKkなのか?断るべきなのか?
迷っても当然です。
本来はケアマネージャーに相談して判断を仰がなければなりませんが、介護サービス提供中の突然の依頼であればそれも難しいです。
参考なればこんな事例にも目を通してみてください。

介護ヘルパーは利用者に同居家族がいても食事の支度はできるか?

同居の家族がいる場合、介護保険の「生活援助サービス」を利用することは原則できません。
ただし、同居家族がいてもその家族が支援できない場合には介護保険サービスを利用するのが認められる場合があります。

例えば
「同居家族は要るが、」仕事の都合などで家族が自宅を留守にしていることが多い」
など特別な事情がある場合にはヘルパーが食事の支度と介助をすることができます。
ただその場合でも
利用者が自分で食事を作ろうとしたら転倒の危険制がある
ひとりでの食事は誤嚥の恐れがある
などの事情や状況をきちんとケアマネージャーに報告、相談をしケアプランに「食維援助」をケアプランに組み込んでもらわないといけません。
また同居家族がいて家庭が支援できる場合でも介護保険外サービス(全額自己負担となる)で依頼を受けることはできます。
※ただし自分の勤務する事業所が介護保険外サービスを提供しているか確認が必要です。

賞味期限切れなら食品の処分をヘルパーがしてもいい?

高齢の利用者さん宅では冷蔵庫や戸棚の中に賞味期限切れの食品がたくさん出てくることってありませんか?
食べきれないほどたくさん買い込んだり、手前の食品から取り出すから奥にある食品は賞味期限切れだったり
そんな賞味期限切れの食品をヘルパーが処分するこてゃできるのでしょうか?

賞味期限切れの食品は本人の健康を害する恐れがあるので、本人の同意の上で処分することはできます。

ただし利用者本人が作った物
たとえば「味噌」や「漬物」などは賞味期限がわかりません。
本人い聞いても、いつ頃作ったものなのかか?
覚えていないこともあるから困ります。
とりおあえずはその食品の状態を確認する必要も大事です。

また親戚や知人からの頂き物の場合、本人に強い思い入れがあることもあります。
ですんおで処分する場合には、必ず本人に声かけをして納得してもらってから処分することも忘れないでください。

ひとり暮らしの寂しい利用者の話し相手や食事を一緒にしてあげるのは?

介護保険サービスでは原則は
本人の日常生活に不可欠な支援であること
とされています。
ですから「寂しそうだから」といってヘルパーが話し相手になったり、食事を一緒にすることはするということは介護サービスとしてはできません。

話し相手もいなくて寂しそうなら、外出もできないなら

ヘルパー自身が話し相手になったり、一緒に食事をしてあげることはできませんが、利用者がより人と交流できるようにできる介護サービスを考えましょう。
例えば
安全な環境で外出できるようにする。
人と交流できる機会を設けるサービスの利用を検討する
ことです。

そのためには
デイサービス(通所介護)
の利用をすすめるのもあります。
たいていは送迎サービスがあり、昼食も実費ですが提供されます。
そこに通う他の利用者やスタッフと一緒に交流ができます。

厳しい現実ですが、介護サービスでできることであってもヘルパーにはできないこともたくさんあります。

食事作りで「メインは利用者が」「下ごしらえや後片付けはヘルパーが」という役割分担はできるの?

女性の利用者で料理が大好きな方もいます。
しかし、リュウマチやン脳梗塞の後遺症などもう包丁さえ握ることができなくなってしまっていることもあるでしょう。
そんな利用者ならヘルパーの作る料理は気に入らない場合もあります。
それならばせめて味付けだけでも利用者自身でやってもらうことはできないでしょう?

介護保険の考え方では
不自由なところをサポートする
という理念があります。

ですから料理好きな利用者なら
手が不自由なら難しい「下ごしらえ」「後片付け」はヘルパーがする
味付けは自分でする

という役割分担は介護保険の理念に決して反してはいません。
ですので、ヘルパーには「下ごしらえ」と「後片付け」を頼むということは可能です。
なにより
「自分のことは自分でやりたい」
というのは自立支援では大切です。

おせちや年越しそばを作って欲しいとヘルパーが頼まれたら?

買い物や料理もできなくなった利用者さんに
「せめて正月気分だけでも味合わせてあげたい」
と考えるヘルパーさんもいるでしょう。
しかし、介護サービスでできるのは「日常生活に不可欠な支援」だけになりあmす。
ですから「おせち」や「年越しそば」など特別な行事の時に食べる料理はヘルパーはできないのです。

ただ普段の生活の中で、「おそばが食べたい」という要望でヘルパーがおそばを作るのは許されます。
それが12月31日だというだけであればです。
またおせち鵜もヘルパーがcv法利して作ることはできませんが、調理済みのおせちセットを買ってきてあげることはできます。(買い物代行)
そのあたりは担当のケアマネージャーに相談してみましょう。

特別な行事のためのサービスはヘルパーはできません

利用者さんから普段とは別に特別な行事の時に頼まれることってよくあります。
しかし、それらの場合は「介護保険サービスでは認められていない」ことを知っておきましょう。

・お正月
・節分
・ひな祭り
・子供の日
・誕生部
・敬老の日
・クリスマス
そんな特別な行事に関わる食事の調理をヘルパーはできません。

さらに調理だけでなく
・年末の大掃除
・カーテンやソファーカバーの取り換え
・室内の家具の移動や模様替え
などもヘルパーはできません。

ヘルパーは「家政婦」「お手伝い」ではありません

介護ヘルパーのことを「お手伝い」や「家政婦」を勘違いしている利用者も少なくありません。
しかし介護ヘルパーは介護保険サービス内のことしかできないのです。
このあたりはヘルパーも利用者自身にもしっかりと理解しておいてもらわなければなりません。

同居家族がいる場合の買い物同行

「買い物は自分の目で確かめてやりたい」
そんな利用者さんには買い物同行という介護サービスがあります。
しかし、同居家族が要り場合は「それは家族ができること」とみなされているのです。

ですから、同居家族がいる場合は利用者の買い物の付き添いをヘルパーはできません。
この場合の同居家族とは「二世帯住宅」や「同一敷地内の家」に家族が住んでいる場合も同じです。

しかし、どうしてもやむおえない事情がある場合は認められることもあります。
それは
同居家族が仕事などで日中不在がちである
その時間帯に介護上どうしても必要なサービスである
と認められる場合です。

同居家族がいる場合に
「日常生活において必要な物が買えない」
という状況とは認められません。
しかし
「自分の目で品物を確かめて買い物をしたい」
という意欲は自立支援の意味において大切です。
利用者が「自分で買い物に行ける状況を作る」という支援が、その利用者の生活の維持・向上に役立つを考えられるのならケアマネージャーにその状況や事情を伝えてみましょう。
なんらかの解決策が見つかるかもしれません。

なお、全額自己負担の介護保険外のサービスとしてなら同居家族がいても買い物同行ができます。
※介護保険外サービスも提供している介護事業所の場合

「お気に入りの洋服だから洗濯は手洗いで」とヘルパーに頼んできたら?

ここで難しいのは
普段の生活で煩雑に着ているなど日常生活で不可欠な衣類なのか?
手洗いが必要な衣類不可欠なおか?
ということになります。
そうであればヘルパーは手洗いで洗濯をしてあげても問題はありません。
ただし、その場合でも「ドライクリーニング可能な物」は別です。
また、お気に入りの衣類であっても、たまにしか着ない「外出用のおしゃれ着」であれば日常生活でどうしても必要な衣類とは認められません。
ですから、大事な衣類であれば、ヘルパーの手洗いよりも専門のクリーニング店に出してもらうようにしましょう。

通院介助で来る途中で「診察券を出しておいて」と言われたら

本来なら、ヘルパーだけが病院に立ち寄って診察券を出すことは「通院介助」には含まれません。
しかし
①受信まで待ち時間が長く、それが利用者心身居悪影響を与える
②その病院にそのヘルパーがツイン介助を行っている

の条件があれば
診察券を出すことは「通院介助の一部」とみなされ、海保保険サービスの適用が可能だと思います。

利用者さんいしてもヘルパーに
「自宅に来る前に病院に立ち寄って診察券を出しておいて」
と頼まれれば、それはOKだと思います。
ただ全体の通院介助の利用時間の算定ではs忍殺県の提出からカウントすべきです。

ただし、
家族や本人のい代わりに診察券を出すだけ
受診の順番待ちをするだけ
はNGです。
あくまでその病院に通うための「通院介助」としてのみ「診察券を出しておく」という行為は介護サービスの一部として認められるのです。

外出介助と買物介助を同時に行えるか?

外出介助で予定にない場所への立ち寄りを利用者さんから頼まれることがあります。
でも、それってできないことも多いのです。
例えば、病院からの自宅への帰り道の途中で経路に無い場所への立ち寄る際の外出介助は認められません。

介護保険では、外出の付き添いや介助(外出介助)は居宅サービスの一環です。
ですので、
自宅(外出前の準備も含む)から目的地までの介助から
目的地から自宅(帰宅後の片付けも含む)まで
が介助として認められています。

ただし、目的地から自宅までの間で日常生活上にある範囲内にあるスーパーなどに立ち寄りはそれも介助として認められる場合もあります。
なお、このような場合でもきちんとケアプランに帰路が明記されていることが前提です。

利用者の代わりに通院のためのタクシーを電話でヘルパーが呼ぶのは?

細かいことですが、ヘルパーが利用者の代わりに電話をかけてタクシーを呼ぶことは「代行サービス」とみなされ、本来の「通院介助」には含まれません。
しかし
ひとり暮らしで代わりに電話してあげられる人がいない
タクシーでないと通院できない
通院の際はヘルパーが付き添ういる
の3点を充たす場合は代わりにタクシーを呼ぶことは「通院介助」の一部としてみなされ介護保険適用ないん尾サービスとみなされます。

ですから、利用者高でが通院するために、ヘルパーに電話をかけてタクシーを呼ぶことは本来は介護保険外となりあmす。
ただ、、人と話すことは自立支援でもあります。
ヘルパーが横でサポートしながら、利用者自身が電話で話させるようにしてはいかがでしょうか。

病院内での保険証の提出や支払いをヘルパーがするのは?

普通のクリニックや診療所ならば、利用者が保険証の提出や料金支払いも問題にはならないでしょう。
しかし、大きな病院などで複数の診療科を受診するなどの場合は高齢の利用者にはとても大変なこともあります。
そこでついついうヘルパーが咲きあm割りして保険証の提出をしたり受診後の支払いをやってしまいがちです。

介護保険お考え方では、病院内では病院のスタッフが解除するべきと考えられています。
ですので、病院内でヘルパーが介助することは基本的に認められていません。。
ただし、病院内の介助がスタッフにはできないという確認が病院側と獲れていて、勝以下の事情がある場合にはヘルパーの介助が可能な場合があります。

①家族がや無負えない事情で付き添いができない
②認知症などの症状が重く、目を離すことができない
③顔見知りの人がつく反っていないと不穏や暴力的な行動に出てしまう
など

このような事情がある場合には
・病院の受付への保険証の提出
・待ち時間の付き添い
・トイレの介助
・診察室内や診察中の付き添い介助
・診察中の衣類の脱ぎ着の介助
・リハビリなどの前後の移動の付き添い介助
・入退院時の付き添い
・入院時の見守りや身の回りの援助
も可能になります。

ただし、この場合もきちんとケアマネージャーによく相談してからでないといけません。

床ずれの薬を塗ってあげることは?

寝たきりの利用者ンに床ずれがあることはありませんか?
そこで利用者さんお家族から「訪問介護時に床ずれの薬を塗ってあげて欲しい」と頼まれた時
ヘルパーのあなたはなんの迷いもなく塗ってあげますか?
実は床ずれに薬を塗るという処置は、れっきとした医療行為なのでヘルパーはできないのです。
ですから、床ずれに贈尻を塗るのはお医者さんや禍の死に見てもらって適切に処置してもらわないといけないのです。

ヘルパーが床ずれの利用者にしてあげられることは
・床ずれの処置により汚れた衛生材料(ガーゼ・ラップ・オムツなど)の交換
・床ずれの部分御周囲を水洗いする
などです。

重度の糖尿病の利用者へのインスリン注射を頼まれたら?

重度の糖尿病の利用者さんの場合、インスリン注射を打っている場合もあります。
しかし糖尿病の合併症で
・目が見えにくくなていたり
・手が震えていたり
しまっていることもあります。
そんな時に家族から
「ヘルパーさんがインスリン注射を打ってあげてくれませんか?」
と頼まれた時にどうしますか?

今の注射器はとても進化していて素人でも特別な技術がなくても簡単に打つことができます。
しかし、インスリン注射を打つことは医療行為に該当するためヘルパーが打ってあげることはできません。

ヘルパーができることは利用者自身がインスリン注射を打つ時の
・血糖値測定の確認
・注射量の確認
・注射を打つ際の見守り

はできます。

また同居する家族がいる場合は
・血糖値の測定のやり方
・インスリン注射の方法
を覚えてもらうようにしましょう。
それも難しいなら医師や看護師にお願いするしかありません。

遠く離れて暮らす家族から利用者の安否確認を頼まれたら?

遠く離れて暮らす子供などが実家でひとり暮らしの親と連絡が取れなくなったら不安ですよね。
そこで顔見知りのヘルパーに「安否確認」を頼んでくるかもしれません。

しかし、ヘルパーが単に利用者宅を訪ねて安否確認やただ見守りをすることは介護保険サービスでは認められていません。
これは本人が日常生活を送るうえで必要な支援とはいえないからです。

家族が実家で暮らすひとり暮らしの親の安否確認をしてもらいたい場合は、民間の警備会社などが提供している安否確認サービスなどの利用を検討してもらいましょう。

利用者がヘルパーに「肩や腰を揉んでくれ」と言われたら?

訪問介護中に利用者が肩や腰が痛いと訴えてくることもあります。
あるいは利用者家族から入浴介助の後に温まった身体に「いつも肩や腰が痛いというのでマッサージをしてあげて欲しい」と頼まれるかもしれません。
しかし、ヘルパーにマッサージを利用者にしてあげることはできません。
マッサージはヘルパーが行うべき身体介護とは認められていないのです。
マッサージをしてもらいたい場合は
・鍼灸マッサージ師に頼む
・民間のマッサージに依頼する
ようにしましょう。
ただし、介護保険外のサービスを行っている介護事業所は全額自己負担でなら可能です。

あるいは症状によっては「居宅療養管理指導等」を利用して理学療法士や作業療法士や歯科衛生士(唾液腺や咀嚼筋のマッサージ)に依頼できることもあります。

診察室内にまで入って病状や治療方法を利用者と一緒に聞いて欲しいと言われたら?

利用者がひとりで病院までは行けても、軽い認知症などで医師からの説明を理解できない(覚えられない)ということもあります。
そこで遠く離れて暮らす利用者家族から
「一緒に病院へ付き添って医師から病状や治療方法について話を一緒に聞いて欲しい」
と頼まれるかもしれません。
しかし、病院内では医療保険が適用されるため、原則は介護保険サービスは利用できません。

そこで、以下の条件の下ではヘルパーが診察に立ち会って医師の指示を一緒に聞くことができます。
本人が認知症などで医師の指示を覚えられない(理解できない)
家族が遠方に住んでいるなどの理由から診察に付き添えない

また、病院内においては以下の場合にのみヘルパーが解除できることを知っておきましょう。
①病院のスタッフでは対応できないという確認が病院ととれていること
②家族がやむおえない事情で付き添えないこと
③認知症などで、本人から話すことができないこと
④顔見知りの者がついていないと不穏な行動や暴力的な行動をとること
など

介護ヘルパーのできることは介護保険サービスでこと細かく決められている

訪問介護でヘルパーが利用者から相談や頼まれることは多岐にわたっています。
その中には「これくらいやってあげてもいいかな?」と思うことってたくさんあります。
しかし、介護ヘルパーが提供するサービスの料金のほとんどが介護保険から支給されていることは忘れてはいけません。
どうしても利用者がそのことをして欲しいと望むのなら
全額自己負担の介護保険適用外のサービスとして受ける。
他の外部サービスを利用してもらう
しかありません。

介護ヘルパーはその利用者のお手伝いさんでも家政婦でもありません。
ぜひ、このことをしっかりと認識して介護ヘルパーができることとできないこと(やってはいけないこと)を知っておきましょう。