老人ホームやデイサービスで行う入浴介助
利用者の中にはその入浴をとても楽しみしている利用者も少なくありません。
しかし、体調が悪い時の入浴はとても危険なことです。
ひょっとしたら命の危険もあるくらいです。
ですから血圧や脈拍や体温などバイタル値を入浴前にチェックしなければなりません、
倍たる基準値を超えている利用者には入浴を控えてもらわないといいけません。
しかしお風呂好きの利用者は、せっかくの入浴をチャンスを逃すまいとお風呂に入ろうとしてきます。
なにか事故が起こたら介護側の責任も問われかねないので、なんとか入浴を中止してもらわないといけません。
高齢者が安心して入浴できるバイタルの基準|こんな場合は入浴中止
医師によってはこの安心して入浴できるバイタルの基準にもバラツキがありますが
高齢者が安全に入浴できる目安として最低血圧100以下とされているようです。
高齢者が安全に入浴できる目安 最低血圧100以上だと事故が14倍に
入浴事故が起こる危険性は、入浴前に最低血圧が100mmHg以上だと14倍以上、最高血圧が160mmHg以上だと3倍以上に高まる――東京都市大学などの研究グループによる調査で、安全な入浴の目安となる血圧値などが示された。
入浴の危険性を知るための血圧や体温の値を調査
研究チームは、訪問入浴事業所として登録されている全2,330ヵ所の事業所に対して、訪問入浴に関連する事故・体調不良(入浴事故)の発生状況を調査。入浴事故を起こした平均82.3歳の高齢者596例から、危険性を知る参考になる血圧や体温の値を割り出した。
その結果、血圧については、▽入浴前の収縮期(最高)血圧が160mmHg以上であると、正常血圧に比べ、入浴事故の発生は3.63倍に上昇、▽入浴前の拡張期(最低)血圧が100mmHg以上であると、入浴事故の発生は14.71倍に上昇することが分かった。
また、体温については、▽入浴前に体温37.5度以上であると、入浴事故の発生は16.47倍に上昇した。>引用元: 日本生活習慣病協会ル
バイタル値が悪い風呂好きの利用者に入浴を中止させるにはどうする?
バイタルの数値が医師の許可値を超えている時は、入浴の危険性を良く説明して入浴を中止してもらわないといけません。
バイタルの結果に納得できず、利用者がどうしても入浴しようとする場合には、事業所に連絡し主治医の判断を仰ぎましょう。
その時には
・血圧
・脈拍
・体温
などをあわせて報告しましょう。
主治医か入浴の許可が下りない場合にはそのことを説明し、入浴を中止することを利用者に納得してもいらわなければなりません。
しかし、入浴は風呂好きの利用者にとっては数少ない楽しみのひとつです。
ずっと楽しみにしていた入浴ができないことは利用者にとっては大きな心の痛手にもなりかねません、
また、どうしても「風呂に入る!」と入浴中止を納得してくれない場合もあります。
バイタル値が悪い利用者に入浴中止をさせる時の声かけ
利用者にとっては、ずっと楽しみにしていた入浴かもしれません。
そのことを介護スタッフはよく理解し慰めの言葉も優しくかけてあげましょう。
今日は清拭(せいしき)と部分浴で少しでもさっぱりしてもらえるように頑張りますから。今日だけそれで我慢してくださいね。
体調がよくなったら、いつでもお風呂には入れますから早く治してくださいね。
残念ですが、お医者様がやはり今日の入浴は諦て下さいって言われています。
バイタル値の悪い時の入浴はとても危険なことを認識しておく
入浴の中止を知った利用者がひどく落胆している姿を見るのは忍びないと感じる介護職員もいるでしょう。
「お風呂くらい入らせてあげたい」
と少々悪いバイタル値であっても入浴させてあげようと考えるかもしれません。
しかし、バイタル値の悪い時の入浴はとても危険なのです。
入浴は「血圧」に大きな影響を与える好意でもあります。
特に寒い時期には
・脱衣所や浴室の室温
・お湯の温度
に大きな差があり
。血圧が上昇しやすい
・心臓など循環器系の臓器に大きな負担を与える
ことに注しなければなりません。
多くの高齢者は
・動脈硬化
・高血圧
の疾患を持っていあmす。
入浴したことが原因で
・湯部に浸かった直後に血圧の上昇に耐えきれずに心臓発作を起こす
・脳の血管が破れて脳出血を起こす
ことも十分考えられます。
また、入浴してしばらくすると、身体が温まって血管が拡張し、今度は血圧が低下することもあります。
血圧の低下はめまいを引き起こすこともあり、浴室での転倒にもつながりかねません。
入浴中は特に利用者の変化に注意しなければなりません。
なにか事故があってからでは遅すぎます。
入浴前や入浴後にもこまめに利用者のバイタル値のチェックをするようにしましょう。、