訪問介護するご家庭の中には老老介護の方も少なくありません。
しかしともに高齢者で重い要介護の方がいる場合、その痰吸引もご家族では難しいこともあり、訪問介護の時に痰吸引を頼まれることもあります。
平成24年4月から介護職員等により痰(たん)吸引が制度化されました。
しかし、この制度についてよく知らない利用者や家族から
訪問介護中に突然、痰(たん)吸引を頼まれて困る
ことがあります。
しかし、介護職で痰(たん)吸引ができるのは
・一定の研修を修了し認定証の国府を受け
・安全確保措置の整備などの要件を満たし
・都道府県知事に登録した事業者
でなくてはなりません。
痰(たん)吸引は家族にはできても、ヘルパーにはできないことがあることを利用者家族には理解してもらいましょう。
訪問介護中に痰(たん)の吸引を家族から頼まれたらヘルパーも困る
痰(たん)吸引が、医師から文書による指示を受け看護師と連携して実施されるものです。
医師の指示を踏まえたうえで痰(たん)吸引の実施状況を記載した計画書を作成し、その計画に沿って行います。
痰(たん)吸引の実施状況を記載した報告書を医師に提出することも課せられています。
このように厳しい要件を満たしたうえで、口腔内、鼻腔内、器官カニューレ内部の痰(たん)吸引が認められているのでwす。
ですから
利用者やその家族から突然痰(たん)吸引をhウェルパーに頼まれてもその依頼を引き受けることはできません。
また「胃ろう」「腸ろう」など経管栄養、経鼻経管栄養についても同じです。
もし利用者やその家族から痰(たん)吸引を頼まれても、その場で対応できないことを説明し理解してもらいましょう。
同時に事業所へ利用者や家族からの痰(たん)吸引の要望を伝え、必要があれば実施できる体制を整えてもらいましょう。
ヘルパーが痰(たん)吸引や経管栄養の処置を行うと罰せられることを説明する)
介護職が行う痰(たん)吸引や経管栄養の処置について法制化されたことにより、このルールを破った場合には処分が厳しくなってしまいましたこのあたりを利用者や家族にしっかりと説明して理解してもらわなければなりません。
しかし、へルパー^が痰(たん)吸引や経管栄養の処置をできないことを説明してもなかなか納得してもらえないこともあります。
それは痰(たん)吸引や経管栄養の処置が家族には認められていることからかもしれません。
また法整備がなされる前には
強い要望があった場合には同意書を交わしてヘルパーが自己責任で行っていた
という慣習もありありました。
しかし、法整備化された以上ヘルパーが自己責任で行うものではなくなり、事業所を通して行うサービスとして定義された以上勝手にヘルパーが行えるものではありません。、
しかし、介護職で痰(たん)吸引ができるのは
・一定の研修を修了し認定証の国府を受け
・安全確保措置の整備などの要件を満たし
・都道府県知事に登録した事業者
でなくてはなりません。
認定を受けたヘルパーでした痰(たん)吸引や経管栄養の処置は認められていませんし、細かい手順も定められています。
万一、事故が起こった場合には傷害罪にとわれることも
とはいっても長年介護ヘルパーをやっている方なら痰(たん)吸引や経管栄養の処置はお手のものと考えていると思います。
実際の作業自体はさほど難しいものではありませんし、いつも日常的に見ている処置です。
しかし、これらの要件を守らずに万一事故が起こった場合には
傷害罪にとわれることもある
ことに注意しておいてください。
ヘルパーには「できること」と「できないこと」が明確に決められています。
いくら利用者田その家族のためと言ってもそれの範囲を冒してはいけないことをしっかりと認識しておきましょう。
たとえ抜けた経管栄養のチューブの注入もNG
経管栄養剤を注入することは一定の要件を満たしたヘルパーなら行うことができます。
しかし、チューブの挿入は医療行為に当し、ヘルパーは行えません。
事業所を通して、主治医や訪問看護ステーションに連絡してもらいましょう。
これまで喀痰吸引や経管栄養の処置は医療行為であったので、医師や看護師などの医療従事者しか対応できませんでした、しかし、2012年の法改正により、一定の研修を修了したものであれば介護職員であってもこれらの一部の医療的ケアを行えるようになりました。
これは、医療的ケア実施のニーズは多いが、看護師だけではケアが十分に行き届かない現状があたかもしれません。そのため介護職員も要介護度の重い利用者の家族からのニーズも多い医療的ケアを行えるように質の向上を図り、医療的ケアを提供できる体制を構築することが必要でした。
そこで、実務者研修でも医療的ケアを学習します。
ただ実務者研修を修了しただけでは医療的ケアを行うことはできません。
実務者研修で学習した医療的ケアについては、実務者研修終了後に喀痰吸引等研修(実務研修)を受講することで一部の医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養)を行うことができるようになりました。