トイレ誘導の場面では介護ヘルパーの配慮不足の声かけで利用者のプライドを傷つけててしまうことがあります。
介護利用者の気持ちを考えながらうまくトイレ誘導できるような声かけを考えてみましょう。
いくら介護の仕事でトレイの介助が普通と思っている介護ヘルパーさんでも、利用者からすれば他人にトイレのことを知られるのはとても恥ずかしいことなのです。
介護ヘルパーが知っておくべきトイレ誘導の声かけについて解説した動画も少し見ておきましょう。
介護ヘルパーのトイレ誘導の声かけ|悪い事例
よくあるトイレ誘導の声かけの悪い実例を紹介します。
A子さん(83歳)は中程度の認知症があります。
そのため息子夫婦が引き取りました。
しかし、息子夫婦はお嫁さんの実家でお嫁さんの母親とも同居しています。
・息子
・息子のお嫁さん
・お嫁さんの母親
・A子さん
の4人で生活しています。
- 【介護スタッフ間の申し送り】
- トイレ以外で排尿して、掃除するお嫁さんが困っている。
- 息子もお嫁さんも仕事で帰りが遅いので、少し強引でもトイレに誘導して欲しいと頼まれている。
- お嫁さんのお母さん(A子さんと同年代)は常に居間にいて、A子さんはいつも気兼ねしているようである。
- お嫁さんの母親の前でのトイレ誘導の声かけはよく拒否されるので無理強いしないで欲しい
おつかれさまでした。
居間へ行く前にトイレに寄りましょうか。
トイレには行きたくないのよ。
あとで困りますよ。
だから行くたくないのよ。
仕方なくお嫁さんの母親のいる居間に移動
同居しているお嫁さんの母親の前で
私が帰る前にお願いですから、一度だけトイレへお付き合い願えませんか。
だから行きたくないって言ってるでしょ!
もうほんとにしつこい人だね、あんたって!
トイレ誘導の声かけで失敗しているポイント
今回のA子さんへのトイレ誘導の声かけで失敗しているポイントはどこでしょうか?
それは「お嫁さんの母親との同居で居辛さを抱える利用者A子さんの気持ちを理解できていなかった」ことかもしれません。
お嫁さんのお母親の前でトレイに行くように強く促したところ、まずますA子さんの表情が険しくなっていき、トレイ誘導に失敗してしまいました。
A子さんの気持ちを考えて、トイレに誘導するタイミングに注意しる必要があったかもしれません。
NG地雷ワード
同居しているお嫁さんの母親の前で
私が帰る前にお願いですから、一度だけトイレへお付き合い願えませんか。
介護ヘルパーは自分も都合を優先するだけでなく、A子さん本人のペースをくみ取りながらうまくトイレ誘導への声かけをする必要があります。
今回のケースでは、お嫁さんの母親との関係も常に考慮しながら
・同居のお嫁さんの母親の前でトレイに行くことに恥ずかしさを感じている
ことがあるようですので、トイレ誘導のタイミングや場所もにも気を配るべきだったかもしれません、
トイレ誘導の声かけの良い事例
お疲れさまでした。
居間に行く前にトイレに寄りましょうか。
トイレには行きたくないのよ。
あとで困りますよ。
だから行くたくなののよ。
さきほどA子さんのお部屋のほうにお茶を準備しました。
荷物はお持ちしますから洗面所で手洗いとうがいをしませんか。
せっかくなのでトイレにもよりませんか。
(少し言葉の間をあけて)
お手伝いさせてください。
そうかい。
じゃあ、そうしようかね
介護ヘルパーには介護サービス利用者の様子を注意深く観察することはとても大切です。
介護する側がA子さんのリズムに合わせて、ゆっくりと間を読み、A子さんのリズムや呼吸に合わせた声かけや行動を心がけましょう。
そうすれば介護サービス利用者も次第に介護ヘルパーに心を開いて信頼してくれるようになります。
不安感を与えたりプライドを傷つけない気配りも大切です。
介護ヘルパーのトイレ誘導の声かけのポイント
介護ヘルパーで気をつけなくてはいけないポイントは
「介護サービス利用者のプライドを傷つけない」
ことです。
今回のケースでは「同年代のお嫁さんの母親との関係性」にもい注意する必要があったかもしれません。
後で分かったことは、決して良いとはいえなかった関係性のお嫁さんの母親の前でトイレ誘導の声かけが良くなかったようです。
介護ヘルパー自身がもしそのような状況だったらどう感じるだろうか?しっかりと自問自答してみましょう。
そうすればトイレ誘導の声かけも
・今いる場所でのトイレ誘導への声かけが適切なのか?
・場所とタイミングを変えてトイレ誘導の声かけをするべきか?
そのあたりが見えてくるかもしれません。
介護ヘルパーは限られた時間内での訪問ですから今後はデイサービスからの帰宅で
「玄関から居間に向かう途中」
「自室」
でトイレ誘導の声かけに心がけるようにしました。
その際の声かけも、
・うがいや手洗いなど洗面所に行くついでになるようにする
気配りなども必要な場合もあります。
利用者の羞恥心に配慮したトイレ誘導の声かけ
いくら高齢者でったも「恥ずかしい」という羞恥心は持っています。
そこで、介護サービス利用者の羞恥心に配慮したトイレ誘導の声かけのポイントをしっておくことはとても重要です。
利用者のプライバシーや羞恥心に敏感になる
利用者のトイレ誘導を行う際には、利用者がトイレに行くことが羞恥心を感じる場合があることを念頭に置いて行動するようにしましょう。
声かけのタイミングを見極める
利用者がトイレに行きたいと言わなくても、表情や様子からトイレに行きたい可能性があることを察知し、適切なタイミングで声をかけましょう。
声かけの方法に気を配る
利用者がトイレに行きたい旨を伝える際にも、言葉遣いやトーンに気を配ることで、利用者の羞恥心を軽減することができます。例えば、「お手洗いに行きましょうか?」というように、やさしい口調で声をかけるようにしましょう。
プライバシーを尊重する
利用者がトイレに行く際には、介護者が同行することが一般的ですが、利用者がプライバシーを守りたいと言う場合は、同行しないように配慮することが必要です。
コミュニケーションを大切にする
利用者とのコミュニケーションを大切にし、利用者がトイレに行くことに抵抗を感じるようであれば、理由を聞いてみたり、必要であれば他の方法を模索するようにしましょう。
以上のポイントを守りながら、利用者のプライバシーや羞恥心に配慮したトイレ誘導の声かけを行い、利用者が快適に過ごせるように心がけましょう。